259: ◆GmHi5G5d.E[saga]
2017/11/28(火) 22:36:27.96 ID:FFuuv2m50
マリー「来たのね、サンソン」
サンソン「来たとも。処刑には資格がある。する側にも、される側にもだ。
僕以外に君を処刑する資格を持つ者はいない……それは君も実感しているはずだ、マリー」
マリー「……えーと、ちょっと待ってねサンソン。わたし、あなたが素晴らしい処刑人である事は知ってるわ。
だって残忍で冷酷で非人間だけど、あなたは深い敬意をもってギロチンの番をしていた」
マリー「でも、だからってあなただけがわたしを殺す資格を持つの? それっておかしくないかしら?」
サンソン「おかしくないとも。僕は処刑人の家に生まれ、処刑の事だけを教え込まれた」
サンソン「そこに妥協はない。心がけだけの話じゃない。なにより殺し方……処刑の技量にこだわった」
サンソン「いい処刑人が、罪人に苦しみを与えないのは当然だ。僕はその先を目指した」
サンソン「……つまり、快楽だ。その瞬間、まさに『死ぬほど気持ちいい』」
サンソン「僕はそんな斬首を心掛けたつもりだ。そして生涯最高の一振りが、君に向けた斬首だった」
マリー「……」
サンソン「だからこれは運命だ。僕はどうしても、もう一度君に会って尋ねたかった」
サンソン「だから聞かせてくれ、マリー」
サンソン「僕の断頭はどうだった? 君、最期に絶頂を迎えてくれたかい?」
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