かたほうのてぶくろ【片方の手袋】〈モバマスSS〉
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24: ◆pdkDwyOMVs[sage saga]
2017/11/28(火) 02:03:44.39 ID:Cjza4N/Vo

そのゴミ箱には、もう新しい袋がかかっていた。


集積所は体育館の裏手。
以下略 AAS



25: ◆pdkDwyOMVs[sage saga]
2017/11/28(火) 02:04:17.57 ID:Cjza4N/Vo

呆然としてクラスに戻ると、男子グループのリーダー格の子が「やりすぎだった」とかなんとか、へらへらしながら謝ってきた。

友達が先生に言いつけてくれていたみたいだったけど、先生は状況をよくわかっていないのかいつもと同じような対応しかしてくれていなくて。

以下略 AAS



26: ◆pdkDwyOMVs[sage saga]
2017/11/28(火) 02:04:51.70 ID:Cjza4N/Vo

……わからない。ただ、私にはそう見えたってだけかもしれない、けど。


それが、どうしようもなく悔しかった。
以下略 AAS



27: ◆pdkDwyOMVs[sage saga]
2017/11/28(火) 02:05:20.65 ID:Cjza4N/Vo

形だけの仲直りの印のつもりにか差し出された手を握りかえすことなく、
その男の子の頬を、力いっぱいはたいた。

手のひらは赤くじんじんと痛んで、それでも感情はおさまりきらなくて、
以下略 AAS



28: ◆pdkDwyOMVs[sage saga]
2017/11/28(火) 02:05:54.05 ID:Cjza4N/Vo

そう言った所まではちゃんと覚えてるんだ。


……良くも悪くも、強い感情を込めた言葉は、ずっと心に残るものだよね。
以下略 AAS



29: ◆pdkDwyOMVs[sage saga]
2017/11/28(火) 02:06:22.31 ID:Cjza4N/Vo

ショックで思い出したくないだけなのかもしれないけど、あの日どうやって家についたのかさえよくわからない。

その夜はただただ熱がでて苦しんで、明けた朝も学校へ行けなかった。

以下略 AAS



30: ◆pdkDwyOMVs[sage saga]
2017/11/28(火) 02:06:52.73 ID:Cjza4N/Vo

熱がひくまで長いこと寝たり起きたりを繰り返して、途切れ途切れの意識の中で、
お母さんが電話ごしに、よそ行きの声……いつもより、ずっとずっと冷たい声で、静かに誰かと話しているのを確かに聞いた。

ちょっとぞわっとしたけど、多分私を守ってくれているんだろうと思うと少しだけ安心して、深く眠りにつくことが出来たんだ。
以下略 AAS



31: ◆pdkDwyOMVs[sage saga]
2017/11/28(火) 02:08:01.73 ID:Cjza4N/Vo

休日を挟んで翌週、少し早い時間に登校して先生にあの日勝手に帰ったことを謝りに行った。
クラスの女の子たちはすぐに駆け寄って来て心配をしてくれた。

大騒ぎをしてしまってごめんね、と謝ったけれど、
以下略 AAS



32: ◆pdkDwyOMVs[sage saga]
2017/11/28(火) 02:08:31.54 ID:Cjza4N/Vo

あの手袋の代わりにとお父さんがシンプルな紺の手袋を用意してくれていたんだけど、学校に着用して来る気にはどうしてもなれなかった。
その代わりに、上着のポケットに手を突っ込んで過ごすようになった。

多分、当時の私の精一杯の強がりだったんだろうね。
以下略 AAS



33: ◆pdkDwyOMVs[sage saga]
2017/11/28(火) 02:09:16.70 ID:Cjza4N/Vo

件の男子たちとは目も合わせないくらい険悪なまま、クラスが変わるまで口もきかなくて。
関わってなかっただろう男子の事も少し避けてしまうようになって、そのまま女の子とだけ仲良くするようになってしまった。

どうしても、あの時のことを思い出してしまって、不信感を拭えなくて、少し冷たく当たってしまう。
以下略 AAS



34: ◆pdkDwyOMVs[sage saga]
2017/11/28(火) 02:09:44.33 ID:Cjza4N/Vo

結局、卒業するまであの時のことを許すことができなかった。

今となってはもう遠い昔の話って感じだけれど、彼らと二度と会わずに済むんだったらそれがいいな、ってまだ思っている。

以下略 AAS



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