ヒロインの最期
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21:名無しNIPPER[saga]
2017/11/20(月) 19:58:10.65 ID:dPfg/dp20

「だから言ったのに、二人きりじゃなくても良かったわ。

――今更話すことなんて……ないのにね」

「ああ……」


そうだった。もう、話すようなことなどないのだ。
言葉が出ないんじゃない、言葉が無いだけだ。
交わすべき言葉など、とうに出しつくしてしまっている。

そう、僕よりも言葉を交わしたい人だっていっぱい居たはずだ。
彼女はそれだけの存在なのだ。
僕だけじゃない。最期の瞬間まで、一緒に居たかった人は沢山いる。

孫の悲しむ顔を思うと、胸が痛む。
我が子達の悲しみは、僕よりも大きいだろう。
恨まれやしないだろうかと肝を冷やす。


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