265: ◆Bc4KZX4MNU[saga]
2020/10/08(木) 03:20:20.24 ID:iYX4OPw+0
京太郎「俺は俺の未練……勝つことだと思ってた」
トシ「今の今まで、一度も勝てなかったわけじゃないだろ?」
京太郎「そうですけど、でも強い相手と」
トシ「あんたの言う強い相手って?」
京太郎「そりゃ戒能さんとかトシさんとか、大沼のおっさんとか」
秋一郎「おいこら」
良子「しかし、私には……」
トシ「いやあんたの未練は違うね」
京太郎「え?」
トシ「京ちゃんの未練は……もっと簡単で難しいことさ、ハンドボールやってただろ?」
京太郎「まぁ、なんで知ってるのか知らないけど」
トシ「後悔ある?」
京太郎「……ないわけじゃないっすよ。でも一生懸命練習して、みんなと何度も打ち合わせて、それで県大会でいい結果残して」
トシ「満足したろ?」
京太郎「はい、別に嫌になったからやめたとかでもなくて俺……あっ」
トシ「満足できた?」
京太郎「っ……俺、死ぬ気でやりました」
トシ「ああ……」
京太郎「今、死ぬ気で戦って、死ぬ気でここまで練習して、それで負けて、それでも俺っ、俺はっ……」
良子「……っ」
京太郎「戒能さん、俺……」
良子「須賀君、あなたは……立派でした。よく、がんばりました」
京太郎「っ……ああ、そっか、こんなことだったんだ」
秋一郎「死ぬ気で戦って負けるなら本望か……才能しか感じねぇな」
トシ「おや高く買ってるね」
秋一郎「たりめぇだ、俺の“弟子”でもある」
トシ「だね」フッ
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