67: ◆vVnRDWXUNzh3[sage saga]
2017/11/21(火) 00:28:19.51 ID:Zgmwr4p30
革張りの椅子に深く腰掛ける、老紳士が1人いる。背も大して高くはないし、体格は柳の木のように細くて頼りなげだ。浮かべる微笑みは柔和で春の日和のように暖かく、落ち着いたデザインの藍色のスーツと妙に纏う空気がマッチしていた。
パッと見た限りでは、この人が百戦錬磨の経験とそこから培った技術で妖怪が集う政界を40年以上も渡り歩いてきた南内閣のブレーン、茂名 尾前(しげな・びぜん)だとは思えない。
実際、彼が街の雑踏の中に紛れ込んだとしてマスコミでは忌み嫌われネット界隈では南首相に次ぐ人気を誇る大物政治家だと気づける人間は片手の指の本数を越えられるだろうか。
それほどまでに、彼からは平穏な、どこにでもいる好々爺のようなオーラしか感じられないのだ。
( ´∀`)「軍事も艦娘運用も私はずぶの素人ですが、それでも貴方の指揮下の艦娘たちが非常に高いレベルで鍛えられているのはよく解ります。流石は、国防の要たる拠点を預かる提督ですね」
(´Д`)「はっ、大変恐縮です。総旗艦龍驤以下当鎮守府に勤める総勢83名の艦娘の皆も、そのお言葉を聞けて喜ぶと思います」
( ´∀`)「ははは。貴方方の重要度を考えるなら、寧ろ私如きの“お褒めの言葉”程度で済ませるのは大変な無礼かも知れませんね」
喋り口も穏やかかつ丁寧で、それでいて知性とちょっとしたユーモアが溢れている。
これはまた、なかなかに首相とは随分と対照的だ。
130Res/128.40 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20