38: ◆vVnRDWXUNzh3[saga]
2017/11/19(日) 23:10:23.21 ID:TIWNuS4m0
手元に用意されていた資料冊子を、何ページか捲る。
横須賀では先に榛名さんが上げた南アメリカやアフリカ以外に、フィリピンやミャンマー、ニュージーランドなど東南アジアからオセアニアに掛けても深海棲艦による攻勢を阻止できない地域があると踏んでいるようだ。
更に資料は、世界的な上陸が現実となった場合の深海棲艦による「橋頭堡の建造」にも言及している。
「………深海棲艦による【泊地】が、12箇所も」
「しかもこれ、あくまでも司令府側での“予想”よね?」
眉間の皺を深くする石田一尉の向かい側で、瑞鶴さんは資料を汚らしいボロ雑巾を摘まむみたいに持ち上げてわざとらしく顔から遠ざけるフリをして見せた。
「あいつらが【泊地】を築く基準ってまだ解ってないんでしょ?つまり、予測より遙かにたくさんの泊地が作られる可能性もあるわけで………あぁ〜、ヤダヤダ!」
「なっ……!?ず、瑞鶴さん!国防に関する話し合いを何だと思ってるんですか?!」
「だってこんなの考えたってどうしようもないし憂鬱じゃん。榛名さん、これについて考えるのやめよ?もっと他の議題にしようよ。クリスマス会はどうするか、とか」
ゴミでも捨てるみたいにぽいっと投げ出される資料。途端に榛名さんが跳び上がらんばかりの勢いで憤怒の声を上げるが、瑞鶴さんはどこ吹く風だ。
「なりません!勝手は榛名が許しませんよ!」
「ぶー、榛名さんの頭でっかちー。
だいたいゴキブリみたいな奴等のこと話し合うだけで気乗りしないってのに……というか、どこにでもいるし滅茶苦茶数多いし非ヒト型は大半が黒基調だし本当にゴキブリっぽいよね。
あっ、意外とアースジェットで行けるんじゃないのこいつら?」
「いや無理でしょ」
「えー、そうかなー」
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