108: ◆vVnRDWXUNzh3[sage saga]
2017/11/23(木) 01:52:35.60 ID:wdxtZDA40
ゆっくりと、部屋の扉を開ける。
抜き足差し足、忍者の気分で寝床まで辿り着くと、案の定書類の山と乱れた布団に埋もれて眠りこける青ヶ島鎮守府の最高責任者の姿がそこにはあった。
「………ちょっ、寝相凄いなキミ」
以前初雪に見せて貰った動画の、ゲッなんとかの動きを絶妙のタイミングで停止させたかのようななんともダイナミックな体勢。無駄に長身なので、正直“圧”がもの凄い。うっかり夢で見てしまいそうだ。
「なかなか“仮眠”から戻らん上にいつもはがっちりかかってる鍵が開いてたからちょっち嫌な予感はしてたけど………あーあー、書類がエラいことになっとるやん」
床にまで散乱した紙束を拾い上げ、トントンと揃えて鏡台にひとまず置いておく。休むときは休め、仕事を部屋に持ち込むなと何度か強めに言っているのだが、この司令官は一向に聞きやしない。
八頭進という男との付き合いがかれこれ五年目になる青ヶ島の筆頭秘書艦も、昔からこの悪癖には手を焼いていた。
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