4: ◆TOYOUsnVr.[saga]
2017/11/16(木) 00:57:36.01 ID:4TBLGcT+0
○
「さっき、滑ったよね」
やっぱり突っ込まれるかー、と笑いものにされることを覚悟して「あー、うん」と返す。
「私らはバッシュだけど、奈緒は学校の体育館シューズだし、仕方ないんだけどさ」
そう言って、自分のバスケシューズを指差して、裏を見せてくれた。
いろんなところに滑り止めがついていて、なるほどなぁ、と思う。
技術的な面以外にもこういう道具があの急な体重移動を可能にしているらしい。
「で、なんだけど」と前置いて彼女は舞台からぴょんと飛び降りる。
軽やかな着地と共に、手のひらをバスケットパンツでごしごしと拭って、その手でシューズの裏をなぞった。
左足、右足と順番に床に打ち付ける。
体育館に、きゅっという小気味の良い音が二回響いた。
「こうするとね、多少だけど滑らなくなるよ」
にっ、と笑って彼女は言う。
「やってみて」
その言葉に従って、あたしは舞台からぴょんと飛び降りる。
体操服のズボンで手のひらを拭って、シューズの裏をなぞる。
そのまま床に打ち付けると、控えめにきゅっという音が鳴った。
同じようにもう片方の足も繰り返す。
「学校の体育館シューズじゃあんま良い音鳴んないね。でも、滑るなーと思ったらそれやるといいよ」
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