8:名無しNIPPER[sage saga]
2017/11/15(水) 05:06:10.12 ID:2PJCv+pLO
楓「――見て下さい」
P(そう言って彼女は一点を指し示す。その先には仲睦まじいカップルやサラリーマンの集団など、有象無象な人々が流れていた)
楓「お互いを見ているつもりでも、迷子になっています」
P「……?」
楓「手元のスマートフォン――例えばあの集団、今夜飲みに行くお店を探しているのでしょう」
楓「さしずめ『食べログ』などを見て、評価が高いお店に行く……。そんな魂胆でしょうが」
楓「分かっていません」
P「どういうことだ……?」
楓「迷子になっていることに気付いていないのです」
楓「確かに、情報はとても参考になります……。ですが、彼らは偶像という側面に気付いていないのです」
楓「所詮美味しいか美味しくないか、いいお店かそうでないかはその人間が決めること。つまり、人によって感じるものは違うのです」
楓「しかし、実際に行ってみて何か一つでも不満があれば『話と違う』と憤慨する」
楓「別の世界があることに、偶像に気付いていないのです」
楓「そうして迷子になるのです」
楓「偶像に惑わされ、世界を疑う……。どれが真実で、どれがまやかしか……」
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