45:名無しNIPPER[saga]
2017/11/13(月) 20:01:21.14 ID:AW4FyFFm0
ドドドド(中略)ドドドドッ!
全身の勁口という勁口が、突くともなしに貫かれる。
丸眼鏡の細い体躯が、壊れたマリオネットのようにぶるぶると蠕動する。
全ての打突を終えたとき、残されたのは串差しにされた直立不動の蛇一匹。
その顔は苦悶に呻くでもなく、なぜだか少し晴れやかな顔をしていた。
残心、俺と有香は背中合わせに息を吐く。
まだこちらの攻撃は続いている。
これはプレスターンバトルだからだ。WEAK。
俺たちは寸分違わず後ろに半歩下がった。
一挙手一投足あやまたず横並びになって前転する。
シンクロ率200%の完璧なユニゾンアタック。愛と友情のツープラトン。
一瞬のうちに丸眼鏡の懐に潜り込む。
お前は確かに強い。俺たち一人一人では敵わないかもしれない。
だが二人ならどうだ。
心を通わせた二人なら、どうか。
しゃがんだまま俺は右手に、有香は左手に内勁をため込んだ。
勢いをつけて互いの腕を交差させながら伸び上がる。
両手首から先が一体化して蓮の花のように開かれた。
二重の螺旋を描きながら、天を裂くべく飛翔する。
――"天青仰掌"は単なる攻撃技ではない。
自ら天を仰ぎ見て、その頂を掴まんとする、断固たる決意そのものだ――
丸眼鏡の丸眼鏡が、空のかなたに飛び去った。
そう、二人なら。
二人なら、最強だ。
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