馬場このみ『dear my sweet.』【ミリマス】
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5: ◆q5RWMTtiKKUe
2017/11/13(月) 01:45:48.77 ID:Jo2tkmMho
劇場の公演とは対照的なフェスという形態。会場の大きさも、そこに集まった人たちも。
直前の出演者のイメージカラーである深い青色に染まったままの会場の中心で、彼女はひとりであった。

私はうまくやれるだろうか?
後の子たちに繋げられなかったら……?
以下略 AAS



6: ◆q5RWMTtiKKUe
2017/11/13(月) 01:46:37.34 ID:Jo2tkmMho
彼女はマイクを握っている側の腕を強くぎゅっと掴んだ。
それは何かにしがみつくようにさえ見えた。
腕が震えていたかもしれない。
だが、それが実際にどうだったかに気が回らないほど会場に圧倒されてしまっていたのだ。


7: ◆q5RWMTtiKKUe
2017/11/13(月) 01:47:07.01 ID:Jo2tkmMho
こんな状態のままステージに立つわけにはいかない。
彼女は目を閉じて、胸に手を当てて、ゆっくりと息を吸った。
こんなときそうして呼吸を確かめるように耳を澄ませるのが、いつからか彼女自身のおまじないになっていた。

いくらか経ったあと、彼女はそっと目を開けた。
以下略 AAS



8: ◆q5RWMTtiKKUe
2017/11/13(月) 01:47:33.99 ID:Jo2tkmMho
彼女は昔を思い出す。今思えばそれから長かったようでいて、短かったようでもあって。
自分の立った初めてのステージのことを思い出していた。
今よりもずっと小さなライブハウスで、自分のことをまだ誰も知らなかった頃の、そんな記憶。

これは、初めてのファンからもらった贈り物。
以下略 AAS



9: ◆q5RWMTtiKKUe
2017/11/13(月) 01:48:01.52 ID:Jo2tkmMho
指先で転がしながら前を向いた。
目を開けるとそこにはステージを心待ちにするみんながいた。
私のことを知ってくれている人も、そうでない人も。

ほら、耳元から秒読みが始まった。
以下略 AAS



10: ◆q5RWMTtiKKUe
2017/11/13(月) 01:49:15.76 ID:Jo2tkmMho
彼女の歌声が響きわたるのとほぼ同時に、ピンク色をしたあたたかな光が会場を照らし出した。
その中心には確かにスポットライトを浴びて輝くアイドルがいた。
深い青色に染まっている中心で彼女は歌う。
彼女自身の原点でもあり、初めて出会った自分だけの大切な曲を。
彼女の優しく、芯のある歌声だけが広い会場を包んでいた。
以下略 AAS



11: ◆q5RWMTtiKKUe
2017/11/13(月) 01:49:53.87 ID:Jo2tkmMho

「love song のようにきらめき
 love song のようにときめき
 不安なんて嫌だ
 let me see your smile again」
以下略 AAS



12: ◆q5RWMTtiKKUe
2017/11/13(月) 01:50:31.10 ID:Jo2tkmMho
ほんのちょっとの勇気をもらったピンクのブレスレットに、またひとつ想いが重なっていった。
ひとつ、またひとつと途切れることなく。


「想えば想うほど 愛しいよ───」
以下略 AAS



13: ◆q5RWMTtiKKUe
2017/11/13(月) 01:56:05.77 ID:Jo2tkmMho
おしまい。
もともとは夏ごろに書いていたものですが、とあるきっかけで今の形に書き上げて投下するに至りました。
色々思っていたりしたことを自分なりに形にしたつもりです。
読んでくださった方、ありがとうございます。


14: ◆NdBxVzEDf6[sage]
2017/11/13(月) 06:38:48.63 ID:j9PbMVzT0
乙です

馬場このみ(24)Da/An
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以下略 AAS



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