13:名無しNIPPER[sage]
2017/11/12(日) 18:27:42.98 ID:qT/AyJQb0
「お好きな席へどうぞ」
迎え入れてくれたのはちょうどいいくらいの暖房と、想像以上に若い店主と、紅茶の香り…ではなくキャラメルの香りだった。
店内は教室二つ分くらいの広さで、落ち着いた雰囲気の中に小粋なジャズがBGMとして流れている。先客はいないらしく、この空間を二人で独占する事に罪悪感を覚えてしまいそうだった。
14:名無しNIPPER[sage]
2017/11/12(日) 18:28:42.41 ID:qT/AyJQb0
ヴィーネ「これ!」
店内に入ってメニューをもらってヴィーネが指し示したのは、パンケーキだった。
15:名無しNIPPER[sage]
2017/11/12(日) 18:29:29.01 ID:qT/AyJQb0
ガヴリール「パンケーキ、大きめと小さめがあるけれどどっちにする?」
ヴィーネ「お……小さめで」
16:名無しNIPPER[sage]
2017/11/12(日) 18:31:35.66 ID:qT/AyJQb0
私は小さめパンケーキ、紅茶は京都祇園のやつ。
ヴィーネは大きめパンケーキ、紅茶は“薔薇と桃”を注文した。
17:名無しNIPPER[sage]
2017/11/12(日) 18:32:50.47 ID:qT/AyJQb0
キャラメルの匂いを上書きするように甘い桃の香りがする。香りがする方向へ目を向けると、店主が紅茶を運んできた。
紅茶はポットサービスで、冷めないようにウォーマーが被せられてる。
ヴィーネ「わーすっごく良い匂い。こっちが“薔薇と桃”ね」
18:名無しNIPPER[sage]
2017/11/12(日) 18:33:42.82 ID:qT/AyJQb0
京都祇園の香り、なんて言われても想像がつかないから興味本位で私はこの紅茶を注文した。抹茶の香りでもするのか?でも抹茶は別でメニューあったよな。
口につけて、香りと共にいただく。
19:名無しNIPPER[sage]
2017/11/12(日) 18:37:36.66 ID:qT/AyJQb0
ガヴリール「ご、ごめんって。感想を聞く側に回るとつい…」
ヴィーネ「ふん!」
20:名無しNIPPER[sage]
2017/11/12(日) 18:40:06.38 ID:qT/AyJQb0
ヴィーネが頰を膨らませてそっぽを向く姿を何度見ただろう。愛おしくて、鼓動が高鳴る。
私はこの顔が見たくて彼女をからかっている節がある。これは悪い癖だ。
21:名無しNIPPER[sage]
2017/11/12(日) 18:40:51.15 ID:qT/AyJQb0
ガヴリール「え、えと、ヴィーネの紅茶も飲みたいな〜…なんて」
ヴィーネ「どうぞお飲みになってください」
22:名無しNIPPER[sage]
2017/11/12(日) 18:41:58.54 ID:qT/AyJQb0
ほどなくして甘いキャラメルの匂いと共にパンケーキもやってきた。どんどん香りが上書きされていくのに、頭が痛くなるような不快感が襲ってこないことに驚く。
ガヴリール「おぉ…これが究極のパンケーキか」
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