5:名無しNIPPER
2017/11/12(日) 13:45:29.91 ID:I7ybG7FgO
中学に上がってからも、貴方はいつも独りぼっちでした。
人は基本的に自分達の集団と異なるものは排除する性質があると知っていても、
やはり貴方がその対象となるのは、とても胸が痛むことでした。
中学に上がった夏のことでしたね。貴女が、彼に出会ったのは。
貴方をアイドルにしようという彼のことを、私は疑っていました。
珍しい貴方を見世物にしようという魂胆ではないかと疑ったのです。
そして、アイドルになるという貴方に、猛反対しました。
おそらく、あの時のケンカが、人生最大のものだったのではないでしょうか。
しかし、私の考えは間違っていました。
彼は貴方を見世物にするのではなく、そのままでは排除される対象であるマイノリティーである貴方に、
アイドルのステージという、「表現」の場を与えることで周囲に認めさせようとしていました。
そして、貴方にも友達が出来て、それまでの日々が嘘のように、賑やかな毎日が続きました。
私の大切な、唯一人の最愛の妹よ。
私がいなくなったとしても、決して悲しまないでください。私はもともと、いないはずの存在だったのですから。
貴方の周りには、貴方を心から愛し、大切にしてくれる仲間がいます。貴方を導き、助けてくれる人がいます。
私は安心して、貴方の元を離れることができます。
もし、私がいなくなっても、貴方は強く、生きていってください。
そして、いつの日か必ず、幸せを手に入れてください。私の分も、幸せになってください。
体を持って生まれることのかなわなかった姉からの、これが最後の願いです。
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