4:名無しNIPPER
2017/11/12(日) 13:43:59.17 ID:I7ybG7FgO
無事に母の胎に留まった貴方ですが、私達の母の体は我が子を留めておくことが難しかったようで、
貴方は30週目にして、まだ体の未熟な状態でこの世に生を受けました。
私は貴方が気掛かりで、いつも傍にいました。
新生児集中治療室のカプセルの中で眠る貴方を見ながら、どうか元気に育ってほしいと祈り続けました。
その甲斐もあってか、貴方は無事にカプセルから出ることができました。
その頃からでしょうか。時々私の方を見ることがありました。
その後も無事に育っていった貴方ですが、言葉を話すようになり、はっきりとした意思表示を行うようになると、
人には見えぬはずのものが見えていることが明らかになりました。
それでも、まだ小さいうちのことなので、「少し変わった子」ですんでいました。
しかし、小学校に上がると、それではすまなくなりました。
「気持ち悪い」「妖怪」などと言われていじめの対象にもなりましたね。
友達もできず、一人で遊んでいるあなたを、私はいつも見ていました。
そんなある日、あなたは私に話しかけてきました。
「ねぇ・・・そこで、何をしているの?」と。
その時から、私と貴方の、今のような付き合いが始まりました。それからは、本当に楽しかったです。
あなたをいじめた相手に二人で仕返しをしたり、クラスの皆を怖がらせたり。
けれど、私はいつも、気にしていました。
貴方に同じ人間の友達が、人間の理解者ができてくれることを、願っていました。
やはり、人間は人間同士で一緒にいる方が良いに決まっていますから。
しかし、そうした願いは小学生のうちにかなうことはありませんでした。
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