9:名無しNIPPER[sage]
2017/11/10(金) 01:20:45.23 ID:cJDf0ENL0
しばらくしてすごい勢いで車が走ってきた。
なかからあなたが降りてきてあたしの方に向かって走ってくる。
奏「なにそんなに慌ててるのよ、お馬鹿さん…」
あなたは手を大きく振りかぶったわ。
たたかれると思って目を瞑った。
ギュッ
あなたは勢いよりもやさしく私を抱いた。
P「バカはお前だバカ!!忘れ物を届けようと思って、電話をかけても繋がらないし家の明かりはついてないし…、本当に拐われたのかとおもったんだぞ!?」
あなたは泣いていたわ。
わたしの事なんて、誰も気に止めてないと思ってた。でもね、違った。あなたがいたの。
いい大人が号泣して、その姿を見ていたら嬉しさと申し訳なさでいっぱいになって、それで私も号泣してしまった。
奏「ごめんなさい…ごめんなさい!」
我ながら本当におろかな考えだったわ。
こんなにも馬鹿正直に私に向き合ってくれる人がいたのに。
あなたはすごい嗚咽をして泣いていた。
そのまま何かが飛び出してしまいそうだった。
だから私はキスしたの。あなたからなにも出ていかないように。
そして私からもなにも出ていかないように。
ふふふ、笑っちゃうでしょ?最初は私がキスをしてはダメ、なんていってたのに。
ファーストキスは甘酸っぱいってよくいうわよね。
でもね、あたしにはあのファーストキスはちょっとしょっぱ過ぎたかしら。
お互い涙でぐちゃぐちゃだったから…。
そういえば、なんであの時はパパラッチに捕まらなかったのかしら。
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