橘ありす「二人ぼっちのアリス」
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5:名無しNIPPER[saga sage]
2017/11/09(木) 12:11:23.01 ID:/E20kLoAo
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 雨――、夏休み明けの一週間は雨が続き、暑い夏をゆっくりと冷やしていた。
 この雨に残暑の残り香がさらわれたら、きっと秋になるだろう。

 帰りの会を終えて職員室へ戻り、それからすこし経った頃、
女の子たちがぞろぞろと私の机を訪ねてきた。

「あのぅ、アリスせんせえ」

 彼女たちはいつも遅くまで残っている組だったので、
こうして訪ねてくるのが珍しいこととも思えず、
私は「はて、なにかしら」とノンキに構えたまま、
話を聞くまで彼女たちのただならぬ表情に気がつけなかった。


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