27:名無しNIPPER[saga sage]
2017/11/09(木) 13:15:59.42 ID:/E20kLoAo
「ただ、かわいいからって。それだけですよ」
そのときの彼女の表情に、私は思わず言葉を詰まらせてしまった。
私が12歳の頃、きっと同じ顔をしていたから。
「また、明日――」
ありすが職員室を出て行ったあと、私はその姿を追うように窓の外を見つめた。
藍色に淀む空から落ちた雨は、アスファルトを青く青く覆った。
水たまりの上を小さな影が通ると、街灯の光が細い糸のようになって波紋を広げた。
秋の雨は穏やかに長く降る。しばらくのあいだ、なかなか晴天が見られなかった。
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