橘ありす「二人ぼっちのアリス」
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17:名無しNIPPER[saga sage]
2017/11/09(木) 12:52:38.08 ID:/E20kLoAo
「あっ、持ってきちゃダメって、先生言ってるわけじゃないんだ」

「じゃあ、どうすればいいんですか?」

「提案があるんだけど、……橘さんが朝、登校してくるじゃない?
以下略 AAS



18:名無しNIPPER[saga sage]
2017/11/09(木) 12:56:00.73 ID:/E20kLoAo
「わかりました。それじゃあ、あの、そろそろ、いいですか?」

「うん、今日は遅くまでごめんね、さようなら」

「はい。さようなら」
以下略 AAS



19:名無しNIPPER[saga sage]
2017/11/09(木) 12:58:03.39 ID:/E20kLoAo
 いま、私が受け持っているクラスは6年生。
 12歳――意外に大人びた部分と、まだまだ子供らしい部分とが入り混じる難しい年齢。
 けれど、みんないい子ばかりだ。「アリス先生」と私を慕ってくれている。

 思い返せば、ありすとまともに話をしたのは今日が初めてかもしれない。
以下略 AAS



20:名無しNIPPER[saga sage]
2017/11/09(木) 13:02:45.80 ID:/E20kLoAo
 ――――

 あれから、毎朝、ありすは約束通り私にタブレットを預け、放課後に受け取って帰る。
 お願いします、ありがとうございました、といちいち丁寧な子である。
 しつけが行き届いているのだろう。
以下略 AAS



21:名無しNIPPER[saga sage]
2017/11/09(木) 13:05:01.77 ID:/E20kLoAo
「ええ、構わないわよ。どうぞ、座って」

 私はパイプ椅子を取って、デスクの傍に置いた。

「あ、……すみません」
以下略 AAS



22:名無しNIPPER[saga sage]
2017/11/09(木) 13:06:14.18 ID:/E20kLoAo
「あの、先生。……先生の名前、アリスっていうんですよね」

 ありすはもじもじとしながら言った。私はフフフと笑って、

「そうだよ。ありす……橘さんとおんなじ名前ね。
以下略 AAS



23:名無しNIPPER[saga sage]
2017/11/09(木) 13:08:39.54 ID:/E20kLoAo
「昔はそうじゃなかったんですか? からかわれたり、しましたか?」

「うん。からかわれることもあったし、もっと別の、フツーの名前がよかったって思った」

「私も、そう思います」
以下略 AAS



24:名無しNIPPER[saga sage]
2017/11/09(木) 13:10:04.15 ID:/E20kLoAo
「でもね、やっぱり昔はアリスって名前、嫌だったなぁ」

 高校のときの英語教師は、私をチャンピオンと呼んだ。
 それが嫌で嫌で仕方がなくて、なるべく目立たないよう目立たないよう、できることなら透明人間になりたいとさえ思っていた。
 それを変えたのは、同じクラスの男の子だった。
以下略 AAS



25:名無しNIPPER[saga sage]
2017/11/09(木) 13:11:16.14 ID:/E20kLoAo
「そうなんですか」と、ありすはちょっと顔を赤らめた。「それで、その人は……?」

 まんざら興味がないわけではないらしい。私はフフンと鼻を鳴らした。

「いまの旦那さん」
以下略 AAS



26:名無しNIPPER[saga sage]
2017/11/09(木) 13:14:17.70 ID:/E20kLoAo
「あなたは? 名前の由来」

「ええ。恥ずかしいんですけど、母に聞いたら……」

 ――と、そのとき、ありすのタブレットが、短く振動した。
以下略 AAS



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