2: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2017/11/08(水) 03:52:03.29 ID:08pW5gpZ0
言って、私は勝手知ったる給湯室へと足を向けた。
電気ポットのお湯を確かめて、彼専用のマグカップにインスタントのコーヒーを入れる準備をして。
「顔も、洗った方がいいんじゃないですかー?」
大きく呼びかけ……返事がない。
どうしたんだろうと不思議に思い、給湯室と仕事場を仕切るパーテーションから顔を出せば。
「あ、二度寝」
彼はソファに転がり眠っていた。
どうやら私は一つ思い違いをしてたらしい。
つまりはプロデューサーは徹夜仕事。
睡眠は、今から取るつもりだったのだ。
……どうりで寝ぼけた返事をしてたワケね。
「……もう、このコーヒーどうするんですか」
後はお湯を入れるだけで完成する一杯を見下ろし苦笑する。
仕方ない、これは一旦置いておいて――。
「……あれ?」
でもその時、私は首を傾げたのだ。
いつもならキチンとしまってあるハズの自分の分のコップが無い。
どこにも入れ物が見当たらなくちゃ、このコーヒー粉を入れ替えることだって出来なくて。
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