94:名無しNIPPER[saga]
2017/11/13(月) 01:57:36.38 ID:grI1dH9y0
店を出てから、車を郊外方面に走らせる事おおよそ四十分。
その間に途中でドライブスルーに寄って昼食を車内で食べたりもした。
ハンバーガーを物珍しそうにもっきゅもっきゅと頬張って食べる助手席の小動物の可愛さに心奪われながらも
今回の第二の目的地である動物園に到着した。
そこは正確には動植物園と呼ばれるような施設であり、名前の通り動物園の施設が半分、植物園の施設が半分になっている。
車を動物園側の駐車場に停めて、無料入園券のチケットを準備し、いざ中に入ってみた。
大人二枚と子ども一枚ですね、と係員からの問い掛けにイエスと答える。
お連れ様が小学生以下の場合は風船のサービスがあるという。
……そういえばサンディって何歳なんだ?
「ねぇ、サンディ。君って今いくつだい?」
「確か十一歳か十二歳だったと思います」
「うん、ありがとう」
十一歳か十二歳、か……。
係員に十一歳と伝えて、手持ち風船を貰う事に。
それを彼女の右手に渡して、空いた片方は僕が握ってみた。
手を繋ぐ際は相変わらず照れる彼女に、つられて僕も照れてしまう。
僕が照れるのは、きっとこういう柄じゃないからだろう、きっと。
今日は休日という事もあったので親子連れがちらほら散見され、まぁまぁ活気を感じられる程度には人の気配があった。
動物園なんて何年ぶりだろうか、などと昔を思い返していると、僕の右手がきゅっと締まった。
横のサンディを見ると、まるで夢でも見ているかのように惚けたような目をしている。
「サンディ、どこから回ろうか?」
「えっと、キリンさん、見たいです!」
ノータイムで答える辺り、本当に見たいのだろうという気持ちがこれでもかというほど伝わってくる。
パンフレットを確認し、まずはキリンのコーナーから見ていく事にした。
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