62:名無しNIPPER[saga]
2017/11/10(金) 05:09:20.93 ID:uuR+QXp40
それからしばらく経って、ようやく落ち着いた頃、幼い顔が懐から離れる。
ぐずぐずの顔になっているサンディにティッシュを渡した。
びろんと鼻水がワイシャツに染み付いたのを恥ずかしがりながら、彼女は慌てて鼻をかむ。
一呼吸のちに、すん、と鼻を鳴らしながら言葉を紡いだ。
「泣いてばかりで申し訳ありません」
感情を流水、それを受け入れる心を器として喩えるなら。
きっとサンディの心は割れ物なのだ。
ほんの少し感情の起伏があるだけで、心の器が受け入れきれずに
涙となって溢れてしまうのだろう。
だからこそ、涙を流すことについてお咎めなんてある筈も無く。
それこそ嬉しかったり楽しかったりしたときに零れるならば致し方ないだろう。
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