474:名無しNIPPER[sage saga]
2019/04/02(火) 15:13:16.71 ID:YmoQ0jae0
日付から注意を反らすように新聞の頁をめくったところで
対面のカウンターにいるマスターが声をかけてくれる。
「あいよ、お待ち」
「ん、どうも」
そんな他愛もないやり取りだが、何か違和感を覚えた。
確かアメリカンコーヒーを頼んだ筈だが、
差し出された飲物からは妙に甘い匂いが醸し出されている。
香りを嗅いで、ずずっと一啜り。
なにこれ、ココアじゃないか。
「マスター、注文間違えてますよ。口を付けちゃって言うのもなんですが」
僕が指摘すると、ヒラヒラと手を振った仕草のあとに
悪そうな笑みで返答がくる。
「誰からもチョコ貰えてねぇ輩への奢りだよ。ハッピーバレンタイン」
おいなんだ急に苦みが増してきたぞ、このココア。
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