405:名無しNIPPER[saga]
2018/07/03(火) 02:15:14.49 ID:DNR4q8jP0
【番外編〜未来はミルクで作られる〜】
ここは喫茶店、リーブル・ド・イマージュ。
フランス語で絵本という意味らしい。
僕は今この店のカウンター席に座り、注文したエスプレッソを堪能している。
飲み慣れたこの味は、目を閉じても香りだけで酒類を当てられる自信がある。
苦みの強い筈なのに、不思議とそれが心を解きほぐす要因となっているようだ。
暦の頃は二月上旬。冬の冷え込みとしては最後の時期。
カウンターから外を眺めると、ちらちらと粉雪が舞っていた。
店内の穏やかな温度とは裏腹な景色がガラス一枚を隔てた向こうに広がる。
そんな風景を横目にして、ずずっと音を立てコーヒーを体に浸透させてみた。
じんわり広がる温かさ。仄かな幸せを舌先から感じる。
うん、やはりマスターの淹れるコーヒーは美味しい。
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