385:名無しNIPPER[saga]
2018/06/09(土) 00:16:08.60 ID:JHw0RtO20
夜明けの空に蛍が哭いた。
時刻は午前四時を少し過ぎた頃。
薄い青を纏う空は雲一つ無い。淑やかな景色だ。
窓を開けると、白みがかった月の横に寄り添うような星が見える。
それと同時に、人肌程度のぬるい湿気を重ね着した風が部屋に忍び込む。
香水のように仄かに鼻腔をくすぐる朝露の香り。
季節が巡る。
彼女と過ごす初めての夏は、いつの間にか本格的に始まっていた。
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