28:名無しNIPPER[saga]
2017/11/07(火) 09:14:24.06 ID:lfj9bXFJ0
>>27
「お魚、ですかね」
これはまたずいぶん漠然とした好物だ。
種類は何か、調理方法はどういったものが好きか、味付けはソースと塩のどちらが良いのか。
色々と聞きたい所はあるが、まずは彼女の好きな物が分かっただけでも良しとしよう。
「そうか、君は魚が好きなのか」
「はい。特に食べ方のこだわり等はありませんが、お魚さんが好きです」
お魚さん。なにそれ可愛い。
こほん、と誤魔化すための咳払いを一つ。
「何で魚が好きなのか、聞いてもいいかい?」
「私は物心が着く頃辺りまで港町に住んでいたのだと思います。
もう記憶も朧気なので、どこに居たのかまでは思い出せないのですが。」
「ほぅほぅ」
「そこで覚えているのは、活気のある町と、顔も思い出せない母の手、そしてお魚さんを使った色んな料理。
だから、魚を食べているときだけは、何となく昔を思い出してもいいような気がしまして……」
「なるほどね」
「失礼致しました。つまらない話をして申し訳ありません」
「いや、いいんだ。話してくれて有難う。
おかげさまで出前のメニューがようやく決まったよ」
まだ報酬の振り込みが確認できていないからほとんど素寒貧だが、今こそ見栄の張り所。
サンディ、君にはジャパニーズ海鮮料理の金字塔こと“SUSHI”の魅力を存分に堪能してほしい。
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