244:名無しNIPPER[saga]
2017/12/12(火) 03:19:53.26 ID:sLz/PBVL0
プレゼントに対して、私は何か返せるものがないのか訊ねてみた。
お兄さんは「気にしないで」の一点張り。
そして私の頭を軽く撫でて、伝えてくれる。
「君がプレゼントの中身を見てくれたら、僕はそれだけでいいんだ」
それから、私はお兄さんと他愛もない事を話した。
明日のクリスマスは雪が積もるのか、とか。
お兄さんの好きな映画の話、とか。
どうやったら美味しいご飯が作れるのか、とか。
そうこう話し込んでいると、観覧車のゴンドラはあっという間に一周を終えた。
外の景色は綺麗だったけれど、それ以上にお兄さんの顔を見ていた時間の方が長かった気がする。
雪は牡丹雪から粉雪へと変わり、いつの間にかすっかり止んでいた。
私たちが観覧車に乗っているときにだけ降ってくれたかのようだ。
お兄さんとしては先ほどの物を私に渡すのが一番のミッションだったようで、
さて後のプランはどうしようかと悩んでいる様子。
だから私は答えた。
「家に帰って、プレゼントの中身が見たいです」と。
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