235:名無しNIPPER[saga]
2017/12/12(火) 01:29:38.93 ID:sLz/PBVL0
それから一呼吸だけ間を置いて私も助手席に乗り込む。
私がシートベルトを着用したのを確認し、お兄さんは今回の目的地に向かうために車のエンジンを点火した。
しばらく走っているうちに、この車は郊外に向かっている事が分かった。
道路の案内板から察すると市街地のテーマパークらしき場所が目的地のようだ。
未だ行ったことのない場所なので、そこに何があるのか皆目見当がつかない。
車が風を切っているその間、私は車窓の内側から外の景色を眺めている。
街路樹に巻かれた電灯が美しいイルミネーションになっていてとても綺麗だ。
天国へ続く道は、もしかするとこんな光景かも知れない。
歩道を歩く人達はみな寄り添いあって、それぞれが幸せそうな顔をしている。
本の中でしか見た事のない尊い世界を覗いているようだ。
もし本当に神様がいるならば、この中に私が一人くらい混ざっても許容してくれるだろうか。
隣で車をのんびり運転する私の神様に、そう訊ねてみたくなった。
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