166:名無しNIPPER[saga]
2017/11/16(木) 01:18:19.57 ID:qrdjbAqX0
そんな事を話しながらものんびりとした時間を過ごしていると、気づけばお昼の準備が必要な頃合いになってきた。
天候は曇り。今日の気温的にも外はさほど寒くない。
どこか食べに出てもいいかも知れないと思いながら、
そういえば最近顔を出していない店があった事をふと思い出す。
「よっし、そろそろお昼の時間だね。今日はどこかに出かけようか」
「はい。お供いたします」
微笑みながらサンディは立ち上がって、玄関口に駆け出した。
入口の靴箱の上に置いていた、サンディ用のこの家の合鍵を持ってきたのだ。
その鍵には動物園で買ったキリンのキーホルダーが付けられている。
最近は出かける際にサンディが家の戸締りを確認し、扉のロックまでしてくれるのは有り難い。
彼女なりにここを我が家と感じてくれているんだろうか。
意図は分からないけれど、家の鍵を閉める際になんだか得意げな顔をするのが可愛らしいので
施錠の確認はそのまま彼女に任せている。
窓よし、裏口よし、玄関よし。指差し呼称までばっちりだ。可愛い。
そしていつもの駐車場まで手を繋いで歩き、ハスラーに乗っていざ出発。
「ところで、今日はどちらに向かうのですか?」
車の中でサンディが問いかけてくる。
運転中なのでよそ見はできないが、視界の端で首をかしげた様子が伺えた。
「今日はね、喫茶店でご飯を食べようか」
「喫茶店、ですか」
「そう。そこの料理は美味しいんだよ」
「楽しみです……♪」
声が弾む調子が分かる。僕も久々にあの喫茶店の料理が味わえるのが楽しみだ。
「ところで、そこのお店は何が美味しいのですか?」
「スクランブルエッグかな」
くっくっ、と笑いながら冗談を喋ってみる。
むぅ、と膨れたサンディが可愛いので、軽く頭を撫でてみた。
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