152:名無しNIPPER[saga]
2017/11/15(水) 22:54:06.96 ID:PX2kAcV30
今日の朝食は、トースト、サラダ、こんがりベーコン、スクランブルエッグ。
最後の一品に関しては、スクランブルというかエマージェンシーな焦げ具合になっている。
たぶん強火にあてすぎた事と、卵を巻くタイミングが分からずに戸惑ってしまったのが要因か。
これはこれで食べごたえがあって良いものだ。
当のサンディは、肩をしょんぼりと落としている。
美味しいよと素直に伝えてみるが、俯いて何度も溜め息をついていた。
「私、本当にダメな奴隷で……申し訳ありません……」
「自分を奴隷だと思っているのはダメな点だけれど、それ以外は最高だよ」
「あ、申し訳ありません……」
またしてもサンディは肩を落とす。ずーん、という効果音が聞こえてきそうだ。
さてはきっと元卵焼き、もといスクランブルエッグを味見してないなこの子。
味付けそのものは本当に美味しいのだ。
だからこそ多少カリカリでも食べ甲斐が出てくる。
僕はスプーンで少量を掬って、彼女が火傷しないように軽く息を吹きかけて覚ましてみる。
「ほれ、サンディ」
「え?」
「あーん」
「…………え!?」
彼女の頬がみるみるうちに真っ赤になっていく。色合い的には秋の紅葉と良い勝負をしているかも知れない。
やってはみたものの、かくいう僕も実は結構恥ずかしかったりする。
気障(きざ)だと思うなかれ、ハードボイルドなら当たり前の所業なのだ、と自身に言い聞かせた。
598Res/293.24 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20