126:名無しNIPPER[saga]
2017/11/14(火) 08:36:33.25 ID:OiSFZpw30
帰りの車内でも甘い匂いが充満していたので、やたらと酔いそうになりながらも無事に帰宅した。
確かに食べ過ぎた節もあるが、ケーキそのものは美味しかった。本当に美味しかった。幸せだった。
折り込みチラシに入っていた「ケーキバイキング半額デー」には感謝してもしきれない。
ただ、お兄さんは食べ過ぎたのを非常に後悔していた。
どうやら私がちょっぴり具合が悪くなったのを気に病んでいたらしい。
こちらとしては、私を幸せにしてくれる人が縮こまってしまうと萎縮してしまう。
いつものソフトマイルド、もといハードボイルドに早く戻ってほしいものだ。
「ゴメンね、サンディ……」
「いえ、素敵な時間でした。今日みたいな光景を夢で見てみたいです」
「とりあえずお茶でも淹れるけれどさ、何か僕に出来る事ある?」
「何か、ですか?」
「うん、なんでも聞くよ」
「なんでも……」
なんでも、というのは難しい。
ご飯のリクエストでお兄さんが困っていた理由が今更ながら理解できた。
では、一つだけ。いつも思っていた事を言ってみようか。
叶うかどうか分からないし、とても恥ずかしい事だから、躊躇いはあるけれど。
「では、お兄さん」
「うん」
「そのですね」
「うん」
「あの、そのですね……その………」
「うん」
「夜は寂しいから……私と一緒に寝てください……」
「いいよ」
即決だった。
照れていた自分が今一番恥ずかしい。
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