102:名無しNIPPER[saga]
2017/11/13(月) 04:52:49.95 ID:grI1dH9y0
閉園時間のギリギリで僕らは動物園を後にした。
一日ずっと歩き詰めになるかと思ったが、サンディがあそこまでキリンが好きとは思わなかった。
おかげでそんなに動かずに済んだ。
まだ暮らし始めて二日目だが、今日で好きな動物が一つ分かった。
こうやって、少しずつ、互いに互いを知っていけたらいいと思う。
サンディが幸せになりますように。
出会って間もなく、知り合ってすぐではあるけれど、僕は切に思っている。
今こうして車に乗って帰路に着くなか、無表情に街のネオンをずっと見つめる彼女にふと問いかけてみた。
「ところでさ、サンディ」
「どうされました?」
「キリン、好きなの?」
「はい」
「どの辺が?」
「……強いて言うなら、耳ですね」
「……マニアックだね」
僕らの二日目は、こうして緩く終わっていく。
別れの日まで、約三百六十二日。
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