46: ◆CItYBDS.l2[saga]
2017/11/19(日) 07:51:55.91 ID:A5nbTyvS0
大臣「陛下の勅命で、宝物庫を閉鎖だと!?」
大臣の怒りの籠った声が、執務室に響いた
盗賊「はい、中にいる補助係の皆さんとは面会することすらできませんでした」
大臣「近衛兵を締め出し、なんとか直属の補助係で現場を抑えたというのに」
大臣「肝心の、宝物庫内部の情報を持ち出せないとは」
大臣「何が国民が望めば退陣するだ!しっかり隠蔽工作図ってるではないか、あの狸おやじめ!」
盗賊「・・・大臣、よろしければ。現在の状況を教えていただけないでしょうか」
大臣は、盗賊の言葉に一時怒りを忘れ頭を働かせ始める
以前より、大臣は信頼のおける部下というものを持たなかった
それは、彼が非常に優秀であり。そして完璧主義者であったからだ
部下にやらせるぐらいなら、自身でやったほうが質の高い仕事ができる
その自信は彼を周囲から孤立させるものとなったが、彼が意に介すことは無かった
しかし、ここにきて手駒の少なさを大臣は痛感する
信頼のおける仲間、志を同じくする者、情報の漏洩、裏切り
ありとあらゆる可能性を、目まぐるしく計算し
そして大臣は一つの答えを弾き出した
大臣「よかろう。貴様には、しっかり働いてもらわなねば困る。事の次第を知っていた方が、動きやすかろう」
大臣「ただし、貴様の父のこと忘れるでないぞ。これは、貴様のこれまでの仕事ぶりを信頼してのものだと知れ」
大臣の結論は、『脅して使う』
盗賊を信頼してのものでは無いことは、明らかであった
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