130: ◆CItYBDS.l2[saga]
2017/12/24(日) 14:56:35.10 ID:zYlpnfp/0
――――――
うわあ、飲みすぎた
俺はいつもこれだ、嫌なことがあると酒に逃げるきらいがある
それが、世間一般的に褒められたことがないってのはわかってる
でも、それしか手段を知らねえんだよ
くそ、遊び人の奴め。言いたい放題嫌がって
俺が勇者に憧れているだあ?んなわけあるか、俺が憧れているのは伝説の冒険商人だ
むしろ先代勇者にしろ、今の勇者にしろ俺からしたら彼の方がよっぽど勇者だわ
平和のためではなく、金のため、自身の利益のために動き
公共の福祉なんざいざ知らず、自分勝手に生きながらも周囲に安寧をもたらす
平和だとか安っぽい言葉を並び立てる輩なんか信用成らねえ
商人が信じるのは、なにより自分に優しい。そんな伝説の冒険商人なんだよ
ああ、柔らけえなあこのベッド
さすが、王侯貴族様のベッドだ。いつか、俺の部屋にもこいつを設えたいものだ
ん、なんだ、人の気配がする
なんで、俺のベッドに他のやつが潜んでやがるんだ
ああそうだ、思い出した
俺が、あいつを投げ込んだんじゃねえか
可愛らしい少女のなりをしながら、中身は50幾つを数えるクソババア
あ、いい匂いがする
そういえば、久しく女を抱いていねえや
長旅だったもんな、パーティー内には盗賊ちゃんもいたし
あ、これはやばい、胸がどきどきしてきたぞ
ちょ、ちょっとだけ、手ぐらいなら握っても問題ないよな
どなたか、どなたか異議申し立てはございますか
うん、異議なし
どうせ相手は、中身ババアの妖怪みたいなもんだ
誰も文句は言うまいて
ん、意外に骨ばってるな、というか骨と皮みたいに細いぞ
しかも冷たい、まるで氷に触れているみたいだ
ああ、でも逆にその冷たさが心地いい
気持ちいい
意識が薄らいできた
ああ、心配事も薄らいでいく
眠れそう
zzz
235Res/221.47 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20