32: ◆nySMeRqtqc[saga]
2017/11/12(日) 00:43:56.31 ID:9pip+DOI0
雪水「……しまった、もう一人つけておかないと怪しまれるよな……」
完全に忘れてたな。しかも一人じゃ捜査が間に合うか怪しいしな。……ん?あそこにいるのは……古伏か?
古伏「あ、雪水さんですか。捜査の際に気を遣っていただいたとは今井さんから聞いています。
ありがとうございます。……そういえば、さっき寝足りないからと言って楠見さんが抜けてましたが、大丈夫ですか?」
さっきまでいたはずなんだけどな……いつの間にそんなことに……
古伏「……実は、さっき彼女に励まされたところでして。もし、ほかの方が腹を立てていましたら伝えておいてください。
まあ、悪はそんなことお構いなしで責めるのでしょうが。どちらの悪も」
いつもの「悪」に対するあたりの強さは変わってないが、やっぱり覇気がない。
いつも元気にふるまっている分、余計に痛々しく感じられた。
古伏「ああ、あとごめんなさい。鈴本さんが死んだというのに、捜査に、参加できなくて。
でも、まだ彼女の死体を見るほど心の整理はついていません……!」
雪水「いや、古伏は鈴本と仲良くしていることが多かったし、仕方ないだろ。
えっと……それに、捜査に参加できないわけではないはずだ」
古伏「えっと、どういう意味でしょうか」
雪水「実は、犯行に糸とか紐みたいなものが使われてないかっていうことを今梓川に調べてもらってるんだが……
一人だと、証言するときに疑われるかもしれないし、何より一人じゃ大変だろ?手伝ってやってほしいんだ」
多分、じっと一人でいるよりはいいと思う、という言葉は飲み込んだ。
古伏「なるほど……そういうことなら、もちろんのこと!ふさぎ込むばかりでは申し訳が立ちません!
お気遣い感謝します!では!」
雪水「え?あ、ああ、どういたしまして?」
俺の返事を聞いたか聞いてないかわからない。
それくらい早く、あいつは倉庫の方向へ駆けて行った。
少しは前向きになれた……のか?
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