43: ◆IULkuZ.Noal.[saga]
2017/10/29(日) 21:50:56.91 ID:hGr+6DsHO
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側近「これが、姫様のご両親、屍王様と鬼姫様の最期です」
少女は目を閉じて、両親の愛の形に想いを馳せる。母は身勝手で我が儘。
父はそんな母を憎み、自分諸共消し去った。
両親がいないのは寂しいが、その物語はとても美しく思えた。
倒錯した女の愛と、愛された男の憎しみ。母はその憎しみすら受け入れて、父を愛したのだ。
少女には母の想いが痛い程に理解出来た。父が如何に魅力的な男性だったのかも理解した。
わたしにも、そんな男が現れるのだろうか? こんなにも素敵な出逢いがあるのだろうか?
少女は一時悩んだが、一瞬にして振り払った。
母に出来て、自分に出来ないわけがない。
なぜなら、少女にはそれだけの力がある。我が儘に、強者として生きられる。
嘗て、母がそうであったように。
弱者の上に立ち、世の全てを思うがままにしてみせる。
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