35: ◆IULkuZ.Noal.[saga]
2017/10/29(日) 21:29:28.15 ID:hGr+6DsHO
俺には、絶対に思えない。
どいつもこいつも信用出来ない。信用出来るのは、こいつだけだ。
こいつは俺のような醜い化け物と昼夜を共に過ごし、寒い夜は俺を包んでくれた。
魔法で懐かせたわけじゃない。この狼は、自ら俺といることを望んでくれた。
人間、魔族。果ては世界がどうなろうが、俺にはもう、どうでもいい。
この力を使って何かを支配しようだなんて微塵も思わない。あるから利用する、それだけだ。
力の使い道も目的も、一つだけだ。
ほら、見えてきた。
魔族を敵に回した魔族、化け物の頂点、あれが鬼姫だ。
あれが、この力の向かう先。あの女さえ殺せれば、後はどうなっても構わない。
……あの女、俺と初めて出逢った時と同じ着物を着てやがる。
当然、分かってて着てるんだろうな。
俺は出逢った時の姿には二度と戻れないってのに、あの糞女め。
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