19: ◆IULkuZ.Noal.[saga]
2017/10/29(日) 20:54:06.09 ID:hGr+6DsHO
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何とか屋敷からは逃げ出せた。
屋敷の中だけでなく、そこかしこで戦闘が始まってたのが好都合だった。
あの爺さんは結構な要人だったのか? まあ、そんなことはどうでもいい。
今のところ追っ手は来ていないが、魔族領にいる限り安全とは言えない。
人間領まで行ければなんとかなるか? いや、見てくれはゾンビみたいなもんだ。
化け物だと思われて、兵士に殺されるかもしれない。何しろ、声を出せないのがキツい。
こんなナリで町中にいては、いずれ見付かる。保護されるとも思えない。
焦った俺は、逃げるように町を離れて山に入った。が、ある存在を忘れていた。
そう、魔物だ。
気付いた時には遅かった。気付いた時には、魔物はそこに迫っていた。
俺は混乱して、無我夢中で逃げた。
結局追い付かれ、組み敷かれ、喰われそうになった時、ふと頭を過ぎった。
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