鬼姫「わたしの愛は美しいでしょう?」
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13: ◆IULkuZ.Noal.[saga]
2017/10/29(日) 20:34:40.68 ID:hGr+6DsHO

嗚呼、早く彼に会いたい。彼の瞳が見たい。

あの瞳、あたしを憎む瞳。

どれだけ痛みを与えても、甘い快楽を与えても、決して消えない憎悪の炎。

あの瞳が、たまらない。

だからこそ、精一杯『愛して』あげたい。

思い出すたびに身震いする。

彼がいた場所が、わたしの奥が疼く。女として生まれて良かったと、心から思える。


側近「どうなさいました」

彼の声を与えた部下が言う。

これで、彼の声を忘れずに済む。

鬼姫「なんでもないわ」

側近「そろそろ魔王が到着するようです。もう少しの辛抱ですよ」


彼の声がすぐ側にある、心が昂ぶる。

あんまり喚くものだから、声を奪って部下に与えた。だって、勿体ないもの。

でも、これでは駄目ね……ますます彼に会いたくなってしまうもの。

愚かな魔王様、早く来て下さい。

彼を抱いても身体が疼いて仕方がないの。だから、さっさと殺させてくださいませ。



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