女戦士「死に場所を探している」ぼく「はあ…」
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5: ◆QKyDtVSKJoDf[saga]
2017/10/29(日) 16:43:29.14 ID:c9/bqZoV0
ぼく「姉は亡くなりましたが彼女の研究はぼくが受け継いでいるんです。ですので、ぼくとしてもあなたの不死性はとても興味があります」

女戦士「研究。町の人間が怪しげな術と言っていたやつか」

ぼく「甚だ不本意ですけどね。姉のしていた研究は至極真っ当な医術ですよ」

ぼく「この世には不治の病と言われる難病が数多く存在している。その治療法の研究の為に、そりゃ確かに怪しい薬や、逆に毒物なんかも作り出したりしましたが」

ぼく「姉は新しい技術を取り入れるのにためらいを持たない人でしたから、最新鋭の機器も町の商人を通じて買い付けていました。知らない人が見たら何に使うのかもわからない異形の機械です。確かに魔女と呼び姉を畏怖した町の人の気持ちもわからなくはありません」

女戦士「お姉さんはご病気で?」

ぼく「病気……まあ、確かに病気と言えなくはないですね。厄介な病原菌に犯され、姉は苦痛のあまり自ら死を選びました」

ぼく「ぼくは姉のことを尊敬していたし、愛していました。姉を蝕んだ病原菌が憎くて、その菌を駆逐したかった。だから、姉の研究を引き継いで、その方法を勉強しています」

ぼく「……と、ここが研究室です。どうぞ中へ」

女戦士「ほぉぉ……一見すると、訳の分からん機械と意味不明な薬瓶だらけだ。確かにこれは、ここが魔女の館と呼ばれるのも納得だなあ」

ぼく「重たい薬瓶や機械なんかは、人に頼んでここまで運んでもらってますからね。そんな人達が町に戻って噂をするんでしょう」

女戦士「しかしあれだな。よくよく見れば、結構危ない機械や薬が沢山ある。人の命をたちまちに奪う毒なんかもあるじゃないか」

ぼく「わかるんですか?」

女戦士「うん。私はね、これまで何とか自分を殺そうと長い間色々なことを試してきたんだよ。飲んできた毒の種類も、数百種類はくだらない」

ぼく「長い間? 女戦士さん、もしかしてあなたは」

女戦士「うん。お察しの通りだ。不死身といったが、実際私は不老不死だ。うら若き美しい乙女に見えるかもしれないが、もう六百歳を超えている」

ぼく「美しいはいらんと思いますが……ははぁ…それはとてつもない話ですね」

女戦士「……多分。二百歳を超えてからはあんまり数えてないから正確なところはわかんないけど」




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