【艦これ】提督「クソッタレな世界を」長門「生き残るために抗おう」【安価スレ】
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37: ◆k5OCMHkyEc[saga]
2017/10/29(日) 22:41:20.61 ID:NDO9ejrc0
執務室に設置されている窓からも、水中が見える。

間取りがどうなっているか気になっている時、後ろで物音がした。

振り返ってみると、本のように積み重なっている深海棲艦たちが。

「あ、あはは…」

一番下にいるのはヲ級。重くないのだろうか。

「…ふむ」

長門は、数秒ほど思考してから部屋を出ていく。

「仲間なんだ。仲良くしてあげるんだぞ」

どちらに言ったのか分からなかったが、もし自分に向けたものだったら、と思い提督は返事をする。

それと同時に、深海棲艦たちも返事をした。

お互いがお互いを見合わせ、沈黙が流れる。気まずい空気が漂う中、レ級と思しき少女が口を開いた。

「本当に長門たちの提督なのか?」

情けない提督だがな、と返事をするが、レ級は笑う。

「情けない…!ここから逃げ出してない時点で結構タフだよあんた…!」

腹を抱えて転げ回るレ級を見ていると、昔近所に棲み着いていた野良犬を思い出してしまう。

そして無意識に、レ級の頭を撫でていた。

「ぷっ…ハハハハ…!面白い人だなあんた!」

逃げ出してないから面白いのか、このような反応をしたから面白いのか。提督は判断出来ない。

不意にレ級は立ち上がり、自己紹介を始める。

「っと、自己紹介してなかったな。僕は…艦娘からはレ級って呼ばれてる。航空、砲撃、魚雷、潜水艦攻撃、何でもござれってね」

深海棲艦に名前は無いし、好きに呼んでくれていいよ、とレ級は最後に付け加える。

「名前が無い?」

疑問がストレートに口から出てしまった提督は、慌てて謝罪する。

「あはは、いいって。真実なんだから怒りようがないよ」

「僕たちは、他の娘を『こんな奴』っていう感覚で憶えてるんだ」

「だから、固有名詞が無いんだよ」

当たり前のように言っているレ級に驚く提督。

だがそもそもこちらだって、敵のことを容姿でカテゴライズしてる程度で、正式名称を知っているわけではない。

「ゴメン、一つ訂正。潜水艦がいたら砲撃できないや」

頭に手を当てて無邪気に笑うレ級だが、その戦闘力は異次元だ。

防空棲姫という化け物のことがあるので、霞んで見えてしまうが。

それでも強力な存在ではあるが、もしまた敵になったと考えるだけで、頭が眩む。

味方とはいえ、目的が分からない時点で最悪の事態を想定していなければならない。


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