7:名無しNIPPER[sage saga]
2017/10/29(日) 00:50:08.75 ID:xEnS6ULnO
「……嘘?」
緩んだ中へ申し訳なさそうな色を一筋差し込んで、先のとは少し違う上目遣い。
「はい。……聞いたのは本当です。そういったお話があるのだということは。けれど、実際に行動へ起こしたわけではないのです」
「っていうと……?」
「つまり」
「つまり?」
「聞かせてもらえると思ったのです。聞かせてほしいと思っていた言葉を、貴方から」
恥じらうように。
伏せはせず、けれどふらふらと泳ぐ瞳。揺らぎながらも触れ続け、重なり続けて、強く深く密着している体勢は解かずに言う。
「僕から?」
「はい」
「好きだ、って言ってほしくて?」
「……はい」
「愛してる、って言ってほしくて?」
「……はい」
「……」
「……」
「……ジャンヌは可愛いなぁ」
ぎゅう。
抱き締める。恋しくて愛おしくて、温かな想いが込み上げてきて。思わずつい、気付いたら抱き締める力を強めていた。
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