武内P「絶対にアイドルに手を出したりしませんッ!!」
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◆SbXzuGhlwpak
[sage]
2017/10/28(土) 20:50:21.90 ID:qZdx75aV0
武内P「――はい?」
杏「条件は杏を幸せにぐうたらに飼うこと。プロデューサーは好きになった人と結婚できてハッピー。杏は夢のぐうたら生活へと入れてハッピー。ノーバディ キャンストップ グータラ生活」
杏「ひょっとして誰か似たような提案しているかな? まあ打算的な杏が相手ならプロデューサーもそんなに罪悪感を覚えないだろうし、杏にしといた方が無難だよ」
武内P「……双葉さん。私のような頭の固い人間にそのような冗談は止めてください。心臓に悪いですから」
杏「プロデューサー、冗談半分って言葉があるよね」
武内Pえ?」
杏「今の杏の提案、どこからが冗談でどこまでが本気だろうね。フフ」
武内P「ふ、双葉さん?」
杏「別にまったく好きでもない相手と結婚しようだなんて、いくら杏でも考えないよ。それなりに好きで、けっこう信頼してて、経済力がある男性と結婚できる。これってかなりの幸せなんじゃない?」
武内P「その……そう言ってもらえるのはたいへん嬉しいです」
杏「お金のことも重視してても?」
武内P「ここまで面と向かって言われると、かえって評価されているのだと嬉しく思えます」
杏「……そうだね。プロデューサーが運やコネじゃなくて、努力して勝ち取ったわかりやすい評価の一つだもんね。そこだけ見られたら不愉快だろうけどさ」
武内P「ただ、私は双葉さんの冗談交じりの願いを叶えることはできません」
杏「え〜、ケチー」
武内P「生涯の伴侶となる方に尽くすのはやぶさかではないのですが……」
杏「打算的な相手じゃその気になれない、と。むむっ、閃いた!!」
武内P「今さら本気だったと言いなおしませんよね?」
杏「……プロデューサー、女の子をおしゃべりを遮るなんて酷くない?」
武内P「も、申し訳ありません」
杏「ま、杏が本気であろうがなかろうが、プロデューサーは担当しているアイドル、それに未成年に手を出せる性格じゃないもんね」
武内P「その……双葉さん」
杏「なーにぃ?」
武内P「そんなはずはないと分かっているのですが……本気で私と結婚したいと考えているアイドルがいるのでしょうか?」
杏「……そう考えるのも無理はないよ。今日だけで何回も求婚まがいなことされてるもんね」
杏「けどその原因は催眠療法の効果が出るまでのタイムリミットがあって、さらにそれがほんの数十分ってこと。さらに効果が下手したら数十年っていう取り返しのつかない事態になること」
杏「事の大きさと考える時間の短さに加えて、皆プロデューサーに懐いているから、焦って妙な判断をしているだけだから気にしないでいいよ」
武内P「……ええ、きっと双葉さんの言うとおりです。私などを恋愛対象として見るわけがないのに、恥ずかしい話をしてしまいました」
杏「ア、ウン。ソダネー」
武内P「それではそろそろ私は行きます。双葉さんが言うとおり一ノ瀬さんのイタズラの可能性もありますが、なるべく二人っきりの状態は避けたいと思います」
杏「うん。気をつけてね」
ガチャ、バタン。タタタタタタタッ
杏「さて……と。杏と二人っきりだった時間は6分と20秒。占めた時間もなかなかだけど、状況を整理できたのが大きい」
杏「これから状況が切迫するに従って、何をすべきか考えるたびに杏との会話を思い出す。杏のことを意識する」
杏「このままいけば杏が勝てるんだけど――」チラッ
「家庭の話をかってーに仮定してます……ふふふ」
杏「……うわぁ。中庭で余裕たっぷりに鼻歌交じりに歩いてるや」
杏「残り時間もあとわずか。いったい何をしでかすつもりなのかな?」
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