2:名無しNIPPER
2017/10/26(木) 17:49:54.44 ID:asL/AF86O
【佐久間まゆ】
私は、東京に来る前、仙台で普通の女の子をしていました。
少し違っていたのは、「読者モデル」をしていたということ位でした。
そんな私も、中学3年。将来のことをしっかりと考えなければならない時期になっていました。
しかし、どうしても、その時の私には、自分の将来が全く見えませんでした。
世界のすべてがモノクロームで、ひどくつまらないものに思えていました。
その日も、私は公園で、缶のミルクティーを飲みながら、ぼんやりと一人過ごしていました。
そんな時、ふと視線を感じ、顔をあげると、そこには彼がいたのです。
なぜでしょう?彼と目が合った瞬間から、世界は鮮やかに色づき、
見慣れたはずの公園の景色さえも、とても新鮮に感じられたのです。
そして、彼は私に話しかけてきました。
「東京で、アイドルになりませんか?」と。
その時は別件での出張であったため資料を持っていないからと、名刺を渡されました。
私には、それだけで十分でした。
家に帰り、何度もその名刺を眺め、そのプロダクションのことを調べました。
数日後、私は貯金を下ろし、東京行きの新幹線に飛び乗りました。
ただ、あの人に会うために。
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