道明寺歌鈴「たくさんのぎゅっと、少しのちゅっと」
↓ 1- 覧 板 20
7: ◆u71RyimI2MeR[sage saga]
2017/10/22(日) 04:13:39.81 ID:O7v1Yh1Do
「プロデューサーさん」
「どした?」
8: ◆u71RyimI2MeR[sage saga]
2017/10/22(日) 04:14:29.05 ID:O7v1Yh1Do
や、やっぱり迷惑だったのかなって離れようとすると、
「ありがとな、歌鈴」
9: ◆u71RyimI2MeR[sage saga]
2017/10/22(日) 04:15:06.90 ID:O7v1Yh1Do
だから、その代わりに、
「……ありがとうございます、プロデューサーさん」
10: ◆u71RyimI2MeR[sage saga]
2017/10/22(日) 04:15:47.53 ID:O7v1Yh1Do
一際強く風が吹きました。その冷たさに思わず、ぎゅ、と力を強めて。
じわりじわりと温もりが伝わってきて。吹きすさぶ風は容赦なく私たちを撫でていく。
だけどこの温もりは確かにあって。
11: ◆u71RyimI2MeR[sage saga]
2017/10/22(日) 04:16:51.47 ID:O7v1Yh1Do
目を開けて、名残惜しさを感じながらゆっくりと離れて。
さっきまでそこにあった温もりが通り抜ける風によって奪われていくのが分かりました。少し寂しくて、恐る恐る手を差し出したら優しく包んでくれました。
12: ◆u71RyimI2MeR[sage saga]
2017/10/22(日) 04:17:43.49 ID:O7v1Yh1Do
貴方の目に映るあの場所はどんな場所でしたか、なんて聞きはしないけど、ちらりと目を向けたら目が合って。思いは言葉には出来ないけれど、いえ、とだけ口にして首を振りました。
そうか、と頷いたプロデューサーさんに促されて座席にぽすんと座り込みます。硬かった木のベンチに座っていたからか、ふわふわとしたこの座席にすっぽりと覆われるとどっと安心感がやってきました。
13: ◆u71RyimI2MeR[sage saga]
2017/10/22(日) 04:18:28.19 ID:O7v1Yh1Do
これだけ明るいのはもちろん電気が照らしているから、だけど半分くらいはこの月明かりだったらいいのに、と思ってしまうのは我が儘なのでしょうか。って呟いても声は溶けていくだけです。
空に向けていた視線を横に向けて。眠っているプロデューサーさんの顔をじっと見て。
14: ◆u71RyimI2MeR[sage saga]
2017/10/22(日) 04:19:04.52 ID:O7v1Yh1Do
見上げたお月様に向かって、
「このことは内緒ですよ?」
15: ◆u71RyimI2MeR[sage saga]
2017/10/22(日) 04:19:45.81 ID:O7v1Yh1Do
しちゃった、なんて思いながら彼を見たらそれでも起きてなくて。
そんなプロデューサーさんにちょっとだけむっとしましたが、それでもこの真っ赤になっているであろう顔を見られないで済むことに感謝しつつ、
16: ◆u71RyimI2MeR[sage saga]
2017/10/22(日) 04:20:25.03 ID:O7v1Yh1Do
17: ◆u71RyimI2MeR[sage saga]
2017/10/22(日) 04:20:56.09 ID:O7v1Yh1Do
……回れたらカッコよかったんですけど、転けちゃって。
こういうところが私なんだから、ってはにかんで。
19Res/10.69 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20