サイタマ「俺より強い奴に会いに行く」
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13:名無しNIPPER[saga]
2017/10/18(水) 01:46:58.92 ID:wJAX+0uIO
【Z市 住宅地】

キング「あれ……? サイタマ氏」キキーッ

サイタマ「ああ、キング。自転車に乗ってどこへ……って、そうか、ここお前んちの近くか」

キング「うん。どうしたの、暗い顔して」

サイタマ「いや……ちょっと、思うところがあってな」

キング「……⁉︎ そんな、やっぱり気にしてたんだ……ハゲは遺伝だから仕方ない」

サイタマ「待て、俺がいつそんな話をした」

キング「違うの?」

サイタマ「当たり前じゃ」

キング「そっか。傷ついてたのかと不安になったよ、俺。これからも遠慮なく言うね」

サイタマ「そこは気をつかえよ」

キング「わがままだなぁ」

サイタマ「なぁ、キング」

キング「ん?」

サイタマ「S級って嬉しいか?」

キング「いや、胃が痛くなるだけかな。ほら、弱いし」

サイタマ「実力が伴ってないとそんなもんか」

キング「うん。どしたの? 突然」

サイタマ「俺、なんでヒーロー協会にいるんだろなぁと思ってさ」

キング「……? ヒーローになりたかったからじゃないの?」

サイタマ「格付けしてるのが気にくわねーんだよ。B級もC級も怪人と戦ってんだろ。誰かを守ってる。なのに、ランクをつけて互いに競争してよ」

キング「……え? それのなにがいけないんだい?」

サイタマ「バカバカしいとは思わねーのかね」

キング「色んな側面があるものだよ。協会的にはランクを振り分けることで脅威に対応しやすくなる」

サイタマ「……」

キング「擁護してるわけじゃないよ。だけど、災害レベルが高い怪人相手にC級を向かわせられないでしょ。そんなのは無駄死にだ」

サイタマ「めんどくせーな」

キング「組織だって力なんだよ。情報の共有ができるぶん、出遅れは少なくなり初動で先手を打つことができる」

サイタマ「まぁ、そりゃあ」

キング「サイタマ氏だって、協会に入れば怪人の出現を把握できるという打算があったんじゃない?」

サイタマ「うっ、お前人に説教できるほどヒーローやってないくせに」

キング「だって変なこと言いだすから。サイタマ氏はさ、退屈してるんだよ。要するに」

サイタマ「……」

キング「暇な人間ってのは考えすぎるものさ。だって暇だから、刺激がないから。だから、不満ばかりに目がいってしまう。その内に組織という枠からはみ出してっちゃうよ」

サイタマ「退屈なのは認めるよ。S級のタツマキに会おうと思ったんだけど無理だった」

キング「タツマキ……? あぁ、そういや今日が会合だったっけ」

サイタマ「S級もそうなのか?」

キング「出席率はまちまちだけど全ランクそうだね。俺も着信あったけどでてないし」

サイタマ「どーやってか会えねぇかなぁ」

キング「会いたいの? 紹介してあげようか」

サイタマ「なに言ってんだよ、お前がS級になんのツテがあって……あっ」

キング「気がついた? 俺、一応S級なんだよね」


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