千歌「打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?」
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名無しNIPPER
2017/10/16(月) 00:08:47.05 ID:Lu5/OMe/0
梨子「……」
千歌「……」
9月1日。
夏休みが明けて最初の日、私は学校をサボって、梨子ちゃんと一緒に海を見に来ていた。
梨子「強いね、千歌ちゃんは」
千歌「そんなことないよ」
梨子「ううん、そうだよ。……『もしも』で何でも変えられる可能性があっても、こうしてちゃんと現実と向き合ってる。私にはわからないけど、そうなんでしょ?」
結局私は『もしも玉』を割ることを選んだ。
現実を無理矢理変えようとした結果、梨子ちゃんのお父さんは事故に遭い、Aqoursも無くなってしまった。
だったら、梨子ちゃんが言った『世界を変える権利』なんて、最初から私には無かったんだ。……そう思うことにして。
梨子「たぶん、の話なんだけどね。私も『もしも玉』を投げたことがあると思うんだ」
千歌「えっ!?」
梨子「“1回目”のとき、千歌ちゃんは『もしも玉』を砂浜で拾ったって言ったでしょ?きっと私、どうしようもなく耐えられなくなって、海に向かって『もしも玉』を投げたんだと思う」
千歌「でも、梨子ちゃんって『もしも玉』のこと信じてなくって……」
梨子「そうだね。でも、どうしようもなくなっちゃったとき、馬鹿らしいなんて思いながらやっちゃうんだ、きっと。私はそういう子だから」
梨子ちゃんは自嘲的な笑いをこぼした。
短くない期間一緒にいて、初めて見る表情だった。
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