藤原肇「ナイトフィッシングイズグッド」
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19:名無しNIPPER[saga]
2017/10/10(火) 02:54:34.74 ID:2O49l66V0
 積み込みが終わり、俺が運転席に乗り込む。

「後ろに乗りなよ」

 と肇に言ったが、肇は澄まし顔で助手席に乗り込んだ。

 時間は午後十時。夜釣りには少し早い時間だろうか。だいたい明け方近くが釣れやすい時間らしい。

「たくさん釣ってきてくれたら、明日のおかずがその分増えますよっ!」

 五十嵐さんからの激励を受け、俺たちは寮を後にする。

 彼女が寮に戻るまで、肇は窓を開け「行ってきます」と手を振っていた。

 そこから少しの間、俺たちの間で会話はなかった。

 肇はうっとりと窓の外を見ており、俺は俺でガソリンの残量を気にして、スタンドを探すのに躍起になっていた。

 目的地を実は聞いていなかったが、ガソリンスタンドに行くよ、と言うと彼女は「はい」とだけ言った。


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