国王「さあ勇者よ!いざ旅立t「で、伝令!魔王が攻めてきました!!」完結編
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130: ◆EonfQcY3VgIs[saga]
2017/10/29(日) 00:30:45.59 ID:z9q5tTPt0

木竜《心配召されるな。教皇とぶつかりあっている姫様の意識だけを、少しばかり拝借させてもらっておりますじゃ》

木竜《儂の語りかけは、姫様にしか聞こえませぬ》ホッホ

魔王《本当に、爺、なの…?》

木竜《はい。姫様の、爺ですじゃ》

木竜《酷く曖昧なこの世界で、真実を見極めるのは難しいことやもしれませぬが》

木竜《姫様は、感じ取っておられるでしょう》

魔王《………爺だ》

魔王《本物の、爺だ…!》

魔王《生きて、いたの…!?》

木竜《…》

木竜《姫様。またそのお心を傷つけてしまうかもしれませぬが…》

木竜《爺は、死んどりますじゃ》

魔王《…っ》

木竜《魔法使いの、あの時の一撃で、儂は死にました。…けれども、この魔壁の内側の世界で》

木竜《姫様や、炎獣、氷姫、雷帝が》

木竜《何度も儂のことを繰り返し思い出してくれたからのう。どうやら、この概念世界だけの身じゃが》

木竜《一時的に意識を持つことに成功したようなのですじゃ》


魔王《………爺》

魔王《それじゃあ………》


木竜《うむ。姫様達が、存在を完全に取り戻した今》

木竜《教皇を倒し、取り囲む魔壁を破って、この空間を脱出したその時――…この儂は、また跡形もなく消え去ってしまうじゃろうのう》


魔王《そんな…!!》


木竜《ほほっ。よいのです》

木竜《生命はその循環の定めには従わねばならん。儂は充分に生きた》

木竜《魔族の生は長い。それにどんな意味があるのか、儂のような愚か者はついぞ知ることは出来なんだが》

木竜《姫様に、それに先代様に。存分にお仕えすることが出来て、楽しかった》

木竜《それに最後に》

木竜《もう一度、姫様のお役に立つチャンスに恵まれたのじゃからのう》


魔王《爺…》




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