国王「さあ勇者よ!いざ旅立t「で、伝令!魔王が攻めてきました!!」完結編
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◆EonfQcY3VgIs
[saga]
2017/10/29(日) 00:30:45.59 ID:z9q5tTPt0
木竜《心配召されるな。教皇とぶつかりあっている姫様の意識だけを、少しばかり拝借させてもらっておりますじゃ》
木竜《儂の語りかけは、姫様にしか聞こえませぬ》ホッホ
魔王《本当に、爺、なの…?》
木竜《はい。姫様の、爺ですじゃ》
木竜《酷く曖昧なこの世界で、真実を見極めるのは難しいことやもしれませぬが》
木竜《姫様は、感じ取っておられるでしょう》
魔王《………爺だ》
魔王《本物の、爺だ…!》
魔王《生きて、いたの…!?》
木竜《…》
木竜《姫様。またそのお心を傷つけてしまうかもしれませぬが…》
木竜《爺は、死んどりますじゃ》
魔王《…っ》
木竜《魔法使いの、あの時の一撃で、儂は死にました。…けれども、この魔壁の内側の世界で》
木竜《姫様や、炎獣、氷姫、雷帝が》
木竜《何度も儂のことを繰り返し思い出してくれたからのう。どうやら、この概念世界だけの身じゃが》
木竜《一時的に意識を持つことに成功したようなのですじゃ》
魔王《………爺》
魔王《それじゃあ………》
木竜《うむ。姫様達が、存在を完全に取り戻した今》
木竜《教皇を倒し、取り囲む魔壁を破って、この空間を脱出したその時――…この儂は、また跡形もなく消え去ってしまうじゃろうのう》
魔王《そんな…!!》
木竜《ほほっ。よいのです》
木竜《生命はその循環の定めには従わねばならん。儂は充分に生きた》
木竜《魔族の生は長い。それにどんな意味があるのか、儂のような愚か者はついぞ知ることは出来なんだが》
木竜《姫様に、それに先代様に。存分にお仕えすることが出来て、楽しかった》
木竜《それに最後に》
木竜《もう一度、姫様のお役に立つチャンスに恵まれたのじゃからのう》
魔王《爺…》
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