7: ◆tMjLcPnC2k[saga]
2017/10/06(金) 10:48:13.37 ID:Q8BdMhpG0
母「今夜はオムライスよ!」
テーブルの上には、とろとろのオムライスが置かれていた。
勇者「オムライスを食べるのは久しぶりだな・・・」
勇者「いただきます」チャキッ
母「召しあがれ」
勇者「ッ!?」
勇者「・・・この味は父さんの味じゃないか!」
母「嘘〜?普通のオムライスじゃない」
勇者「どうして、父さんのオムライスの味がするんだ・・・」
母「うーん、強いて言うなら愛情かしら?」
勇者「愛情?」
母「お父さんの料理は、別にそんなに誰もが旨いっていうほど美味しくなかったのよ?」
勇者「そんな・・・バカな!あんなに美味しかったのに!」
母「そうね、お父さんの料理は本当に美味しかったわ」
母「でもね?美食家が噂を聞きつけては食べに来ていたけど評価はいつもEランク」
母「見た目はボロボロしてて、カチカチのオムライス」
母「そんな辛口のコメントばかり本に載せられてたわね」
勇者「そんな・・・」
父さんの料理が不味い訳が無い。
いつも美味しくて、俺にとっては
父さんの料理より旨い物は無いほどに
母「お父さんはね?料理は下手だけど、何より食べてくれる人の」
母「・・・食べてくれる人の事を常に考えてたの」
母「だから、お客さんもまた食べに来たいって思ってくれるの」
母「あれよ?私の方が料理は上手なんだからね?」ニコニコ
勇者(愛情か・・・)
考えた事も無かった。
料理は単純に味付けと食材の質
それで決まる物だと思っていた。
たしかに世界を旅している間、
そんなに美味しくも無いのに
何故か行列のある店もあったが・・・
勇者「はっ!」
勇者「俺、もう一度魔王を倒しに行ってくる!」
母「そう。頑張ってね?」ニコリッ
勇者「うん!」モグモグ
22Res/15.42 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20