9: ◆twOYNJxMJs[saga]
2017/10/06(金) 00:36:50.94 ID:h7xFOhfZ0
バターン!
「いててっ……」
ベッドから落ちた衝撃によって私は目を覚ましました。
とりあえず目覚まし時計を確認します。
「た、大変! もうこんな時間だっ!」
時計の針は8時を指していました。
このままでは学校に遅刻してしまいます。
「ち、遅刻だっ! 急いで準備しないとっ! って、今日は学校お休みだった……」
制服に手をかけようとした瞬間、冷静になった私は今日が休日であることを思い出しました。
「よかった……」
学校がお休みなことを確認してひと安心……と思ったところで、私が起きたことに気づいたのかお母さんが部屋に入ってきました。
「お母さん、おはよう……」
普段なら朝でも元気に挨拶をするところですが、夢の影響か挨拶も少し弱々しくなってしまいます。
「おはよう悠貴、ところで今日はレッスンの日じゃないの?」
「あっ……」
そうです。学校がお休みということはレッスンがあるという意味でもあります。
「このままじゃ遅刻しちゃう……」
一難去ってまた一難、今度はレッスンに遅刻しそうになってしまい再び慌ててしまいます。
「今日は全体練習があるのに……」
「お父さんが送ってくれるから大丈夫よ、だから落ち着きなさい」
急いで荷物の準備をする私に声をかけると、お母さんはリビングに戻っていきました。
お父さんが送ってくれるならレッスンには間に合うはずです。
落ち着きを取り戻した私は再び準備を始めました。
「うーん……」
ですが今朝見た夢のことを思い出してしまい、どうにも調子が出ません。
ネックレスを失くしてしまってから数日、あれからロッカーや更衣室、レッスンルームと心当たりのある場所をくまなく探しましたが、結局ネックレスが見つかることはありませんでした。
宝物を失くした影響は大きく、ここ最近はレッスンも陸上も勉強も何もかもに身が入りません。
そんな私を見て、周りのみんなから「大丈夫?」と心配してくれますが、私は愛想笑いをしながら「大丈夫だよっ!」と返すばかりでした。
「相談した方がいいのかな、でもお母さん達に言ったら悲しむだろうし……」
ネックレスを失くしたことについて、まだ誰にも相談ができていません。
プロデューサーさんやちひろさん、トレーナーさん達に話そうと考えましたが、ライブの準備で忙しい今、私個人のことで迷惑をかけるのは申し訳ないと思ってしまい言い出すことができませんでした。
「どうしよう……」
「そろそろ行くわよー」
「は、はーい!」
考え込んでしまう中、お母さんの声で現実に戻された私は、慌てて準備を終えて事務所に向かいました。
今日の全体練習、ちゃんとできるといいけど……
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